ドクターコラム

Doctor column

子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)について

当院にて実施可能です。



受けるべきか悩まれている方は、受けることを強く勧めます。

癌を予防できるというのは大きなメリットです。



【子宮頸がん】

日本での子宮頸がんの患者さんは、年間11,000人程度(2019年)と報告されています。年代別にみた子宮頸がんを発症する割合は、20代から上昇し、40代でピークを迎え、その後徐々に下降します。

子宮頸がんで亡くなる方は、年間2,900人程度(2021年)と報告されています。年代別の死亡率は、30代前半から年代が上がるにつれ高くなっていく傾向にあります。なお、日本では、25~40歳の女性のがんによる死亡の第2位は、子宮頸がんによるものです。



【子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)】

現在、公費で受けられるHPVワクチンは、3種類(2価ワクチン(サーバリックス)、4価ワクチン(ガーダシル)、9価ワクチン(シルガード9))あります。一定の間隔をあけて、同じ種類のワクチンを合計2回または3回接種します。


【価って何?】

予防するHPVウイルスの種類の数です。

2価ワクチン(サーバリックス)は、子宮頸がんのおもな原因となるHPV16型と18型

4価ワクチン(ガーダシル)は、さらに尖圭コンジローマの原因となる6型と11型が追加

9価ワクチン(シルガード9)は、さらに子宮頸がんの原因となるHPV31、33、45、52、58型が追加されています。


予防する守備範囲が広がるという認識で構いません。



【どれがいいのか?】

これからは私の意見です。正しいとか間違いとかではなく、どれを選ぶといいのかという時の助言の一つと思ってください。自分にも娘がいますが、その子に受けさせるとしたらどれかという視点で考えました。


結論から言えば、9価を勧めます。


理由としては、2価や4価を受けた後に、守備範囲を超えるHPVにかかってしまうのが嫌だからです。

コロナでも経験した通りウイルスは変異する可能性があり、流行する株が主流のHPV16型と18型から変化する可能性もあり得ると考えられ、それ以外の株が脅威になる未来も考えられるからです。

ただ、これはあくまで私の考えであり、どれであっても受ける価値は十分に高いと考えます。



接種に関する案内などはお住まいの市区町村の予防接種担当課にお問い合わせください。


詳しい内容は、厚生労働省のホームページが内容が充足しております。多くを参考してこのコラムを作らせていただきました。

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou/hpv_qa.html#Q4-1



最後に、受けるかどうか迷われている方は、受けておくことを強く勧めます。


ちなみに、男性も自費ですが実施可能です。パートナーの身の安全を保障できるものでもありますので、お近くの実施医療機関へお問い合わせください。