ドクターコラム

Doctor column

糖尿病 がん検診

特に病気の無い方もですが、糖尿病の方は特にがん検診を受診する事を勧めます。

【糖尿病があると癌になりやすい】
どれくらいかというと、リスクが2割増しと報告されています。
特に大腸がん、肝臓がん、膵臓がんのリスクはさらに高いと言われます。

【癌の予防法はあります】
予防のためには、健康的な食事、運動、体重管理、禁煙、節酒が大切です。
具体的に言うと、野菜類の摂取を行い、加工食品は避け、毎日適度に運動し、肥満を解消して、禁煙・禁酒する。という事になります。
ただし、それらすべてを遵守したとしても一定の確率で癌は生じるものであり、確実にならないようにする方法はありません。

私としては、がん予防はおいておくとして、過食や過度の飲酒、喫煙については避けるべきだと考えます。癌はおろか、多くの健康を害しますし、避けること自体は難しくないからです。(依存症は別の問題になります)
一方、加工食品を全て避けるのは大変難しいです。食べるものに大きく制限を受け、忌避するにも限界はあります。一定の食品添加物は許容し、栄養とともに食す方が健康的と考えます。


【癌は早期発見、早期治療が最良】
癌を早期に見つけるのは、がん検診を受診するのが最良とされます。
基本的に、胃がん・肺がん・大腸がん・子宮頸がん・乳がんはがん検診の対象です。
なぜそれらがと言えば、日本人でかかる人が多く、それで亡くなる方が多いからです。
どれぐらいの頻度で受けるべきかと言えば、毎年を勧めます。
車検の様に、異常がない事を確認していく事が大切です。

とは言いましても、「毎年全部うけるのはちょっと…。」という方も多くいるかと思います。


【癌の早期発見の検査は?】
まずは、胃がんに関しては胃カメラでの検査を勧めます。バリウムの検査は、異常があれば次に胃カメラの検査を受ける流れです。楽な検査でもないのに放射線を使うので被曝しますし、異常があれば次は胃カメラで精密検査する流れです。最初から胃カメラが受けられるならそちらがいいです。
ピロリ菌がいれば毎年の実施が望ましいとされます。
なぜ毎年なのかと言えば、胃がんになりやすく、胃がんは進行が早いからです。

肺がんは毎年検診で胸のレントゲンを受けるのを推奨します。
もし、タバコを吸ってたり、家族に肺がんの人がいて不安であれば、CT検査を受けることを勧めます。
ちなみにCTの検査は基本的に検診の対象外です。これは、人間ドックで希望する事になります。

大腸がんも毎年検診で便検査で、潜血が生じていないか確認しましょう。
そして便潜血が生じていれば大腸カメラの検査を受けてください。
過去に「痔があるから便潜血は出るのは当たり前だから、大腸カメラを受けたくない。」という人がいらっしゃいました。その後、検査してがんが見つかりました。痔の有無にかかわらず、便潜血が陽性であれば大腸カメラでの精密検査をおすすめします。

後は、肝臓がんに関しては腹部エコーを年1回受けることを勧めます。
これもがん検診の対象外の場合があります。
ただ、痛みや苦しみを伴う検査ではないですし、肝臓だけでなく胆のうや腎臓、膀胱や前立腺など多くの臓器をある程度見ることができるので大変おすすめです。

最後に、がんの検査は体が元気な人にしてこそ意味があると考えます。
特に、働いている年代の方こそ受けるべきです。理由は寿命が短縮してしまうことによる生涯年収の減少です。
仕事あっての生活ですが、健康があってこその仕事です。健康をおしてまでなす仕事は多くないと考えます。
今はまだいいやと思わずに、受けることを強くお勧め致します。