ドクターコラム

Doctor column

糖尿病での食事のコツ

糖尿病に限らず、食事内容に気を配るのは大変重要な事です。
特に重要な部分のみ取り上げました。

【糖尿病での、食事内容の3つのコツ】
1.糖尿病を悪くする3つの「あ」である、甘いもの・油もの・アルコールを控える。
2.野菜類を多く摂る。
3.ごはんやパン、麺類といった炭水化物の量を控える。

これで全部です。保証します。これを遵守して頂ければ、悪くなることはほぼありません。
悪いままの場合は、食事内容は何の問題もないので、糖尿病で使用している薬が絶対的に足りないといえます。

1.甘いもの・油もの・アルコールを控えるについて
甘いものはジュース類や甘いお菓子以外にも、アイスや果物、菓子パンが含まれます。
菓子はおかきやせんべいといった米菓のしょっぱいものも含まれます。ポテトチップスは油ものに含まれます。
アイスの他に氷菓も同様です。氷菓のほうが幾分かマシという程度で、ないほうが絶対に良いです。
果物は体にいい。という風潮が強いです。ビタミンを含む事はいいのですが、果糖が血糖値を急上昇させます。
菓子パンを食事代わりに摂る方が割といます。コンビニで安価に購入でき、手軽に食べれますが、食事には適しません。
ジュースは成分表示で0kcalと記載されているものなら構いません。パッケージに0kcalは注意です。成分表示だと100mlあたり9kcalと記載されている商品があります。詐欺ではなく、食品表示法で0kcalと謳っていいとなっている商品です、実際には異なりますのでお気を付けください。

油ものはそれこそ、揚げ物などが該当しますが、油が多く含まれる食べ物や、料理が該当します。
当然調理油も入りますし、ドレッシングやマヨネーズは多くの油を含みます。
油が多く含まれる食品は、豚バラやベーコン、鳥皮、トロサーモンから、ナッツ類やアボカドなど健康にいいといわれるものも該当します。

アルコールは、かつて百薬の長と言われていました。
現在は、害だと分かっています。
認知症のリスクを増やし、筋肉を委縮させ、高齢になって転倒するリスクを増大させます。
また、体に害であることを承知の上でやめられない状態は依存状態です。
アルコールの依存性は極めて強いです。
そうでないうちにやめられる方は、やめるのを大変強く勧めます。


2.野菜類を多く摂るについて
野菜を最初から食べると血糖値が上昇しにくくなります。
それも大変いいことですが、私が思う1番のメリットは「低カロリーなのにお腹にたまる」ことです。
その中で注意点としては、イモ類は野菜じゃない事。イモ類は炭水化物に該当します。
ちなみに、植物学的な話ではなく、栄養学的な話をしています。
他に、カボチャやレンコンなども炭水化物に該当します。
野菜以外に海藻類やキノコ類、こんにゃくは野菜類となります。

野菜は別に生で食べなくていいです。一番楽なのは、温野菜にしてしまう事です。調理も食べる時も楽です。味噌汁にたっぷり入れてもよし、水も入れずに鍋やフライパンにいれて熱するのみの無水調理でもよしです。野菜に関しては、特別な病気が無ければ特に制限は設けません。

3.炭水化物の量を控えるについて 炭水化物を摂れば血糖値が上がります。
そのため、炭水化物を控えれば血糖値の上りは抑えられます。
しかし、炭水化物は体に必要なエネルギーなので、ある程度の摂取は必要です。
1食当たりの炭水化物の量は、身長によって異なりますが、ご飯だと150gあれば足りないことはありません。
大事な事は、食べるご飯の重さをはかる事です。
ちなみに、食パンだと1食当たり6枚切り1-1.5枚相当になります。


最後に、「どこどこ病院で、これはいいと言われた。おかしい。」と言われることが割とあります。
おそらくですが、どこどこ病院で『まぁ何でもかんでも制限すると色々大変だし、ひとまずは大目に見よう。』といった考えの末に、「これについては、(今の所は)まぁいいですよ。」と話されたと推測します。
言葉が足りずに誤解が生じていたことはやむを得ないと感じますが、状況や病状が変化すれば対応が変わる事があることにご理解いただけると幸いです。