ドクターコラム

Doctor column

糖尿病でHbA1cとは?

糖尿病とは血糖値が高くなる病気です。
それによって色々と体にとって不都合なことが起きるわけですが、HbA1cとは何かご存じでしょうか。



HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)とは、血糖値の高さを数値化したものです。



【血糖と何が違うのか?】

血糖は炭水化物などの糖質を摂取する事で上昇します。健康な人であれば食後でいうと1時間前後が最も高くなることが多いです。そして、なにも食べていなければ血糖値は徐々に低下します。

健康な人だと、食後の血糖でも150以内の上昇にとどめられ、おなかが空いていても血糖値は80前後程度までしか低下しません。


1日の中で、血糖は波打つように変動しています。


血糖値を1日中測定していく事は可能ではありますが、なかなかに大変です。そこで役に立つのがHbA1cです。


HbA1cは約60日程度の血糖値の平均の高さを示します。


血糖値は短い期間で細かく変動しますが、HbA1cは長い期間でゆっくりと変動します。車の速度に例えると、血糖値は瞬間速度、HbA1cは平均速度と言えます。


そのため、もしあなたが糖尿病、もしくはそれに近い状態で健康診断を受ける場合、数日前から食事の内容に気を付けて挑めば血糖値は正常になる事もあります。しかし、HbA1cはびくともしません。


当院を受診された方の中で、時折「結構前日飲み食いしたから・・・」と話される方がいらっしゃいます。HbA1cを測定すれば、前日やここ数日の過ごし方に影響を受けない項目でありそれらがよければ特に問題なしと考えます。逆に、HbA1cが高ければ、血糖値が高いのは今に始まったことではないので、生活習慣の改善が望ましいと判断します。



【HbA1cの正常値は?】

正常値は6 %未満です。ちなみに、0になる事はなく健康な人でも5 %前後です。

HbA1cが6 %を超えると糖尿病の予備軍に該当します。

HbA1cが6.5 %を超えると糖尿病の診断基準の一つを満たします。

HbA1cが7 %を超えると糖尿病の合併症が進展する状態になります。


御覧の通り、値が1違うだけで大きな差が生じます。この辺りは、割と体温に置き換えて説明される先生も多いです。

「37度未満の平熱になるように、HbA1cを7 %より下にしましょう。」というのは、糖尿病による合併症を予防する必要性をわかりやすく伝えるために使用されたりします。


また、HbA1cが7から1上がるごとに、約1.25倍合併症が生じるとされます。(UKPDS35という2000年に発表された論文から)

単純な計算で8 %で1.25倍、9 %で1.5倍、10 %で1.9倍・・・とどんどん高くなります。複利とは怖いものです。



最後になりますが、検診を受けてHbA1cが引っかかって受診を促されてる方、まずは病院を受診してください。

治療の始まりが遅れるごとに不利になります。早めにかかることが絶対に良いです。