では、どのような指針で行っているかというと、「ガイドラインを遵守する」というのを大前提に行います。
医療におけるガイドラインは、「最新の臨床結果を踏まえ、現時点で最善の方法として推奨される治療法などをまとめた文書」のことを指します。ガイドラインの作成に当たっては、いろいろな過程をたどるわけですが、あらゆる研究・論文を加味され、大勢のその道の権威の医師が協議の上、妥当とみなされたものがガイドラインで認められます。
はっきり言いきります。これより上はない。
ガイドラインは検索すれば出てきます。私たち医療者も調べます。頭の中にすべては入っていません。なぜなら、量が膨大な事もありますが、それ以上に改訂が行われて変わるものだからです。進化するのです。
そのガイドラインに準拠した糖尿病治療は、患者さんから言わせると正直面白くないやり方かもしれません。
テレビCMで宣伝されているダイエットサプリは、研究の内容が乏しい(CMでは大々的に打たれますが、医療者からすればお粗末さまとしか言えません)として効果なしと判断します。これだけ食べていればいいというやり方は、栄養が偏り不健康を誘発します。
結論から言えば、バランスのとれた食事と適度な運動が、日常生活において重要ということは変わりません。(おそらく変わることもないでしょう。)
また、どうしても使われたくない薬も病状によって推奨されます。
基本的に薬を使用するのは、薬を使用したほうがいいと判断される基準を満たしている状態です。悪くない人に無理やり薬を飲ませることは、それこそガイドラインに違反します。
薬剤を避けるのは、病気の状態が進展していく事をそのまま放置するという事に他なりません。
という事で、当院の糖尿病の治療は変なことはしない。
ガイドラインに則った治療を行うという、極めて普通のことを書かせていただきました。
ちなみに、ガイドラインは当時の最新であり、現在の最新ではありません。補完するように学会からも「提言」がなされており、そちらも準拠するようにしています。
そして、現在の最新を勉強するために、論文も読みますし、学会や講演会に足を運んでいます。
最後に、そういった当たり前だけど重要なことを徹底する事で、多くの人の健康を支えられるように精進していきます。